MAA第一回作品展ー白ー無限の可能性
- maa2011jp
- 2019年4月23日
- 読了時間: 8分
更新日:2021年3月8日

2014年 2月 12日(水) 〜 17日(月)
麻布十番ギャラリー http://azabujuban-gallery.com/wp/
「しろ」 色味としてとらえるだけでなく、素材、テクスチャー、ステッチ、フォルム、テクニック、さまざまな要素を吟味し、組み立てられた「しろ」は実に多様な表現の可能性を見せる。ーしろー無限の可能性ミニアチュールにこめられた 「しろ」 は作者の感性を映して、無限にその表情を変える。


天候には恵まれなかったものの、来場者には恵まれ、多くの方々に見ていただけました。
MAA総勢18名、全員出展。
テーマ作品“ミニアチュール白” 各自の1m×1m作品、そして毎回のテーマに沿ったミニアチュール。
見応えたっぷりの展示会になりました。
会期前日、搬入後の食事会、作品講評は一段と熱がこもりました。
MAAスタート以来の節目、そして更なるスタート地点です。
「 第1回MAA作品展講評 」
【 白 】共通テーマ ミニアチュール作品

「しろ」 色味としてとらえるだけでなく、素材、テクスチャー、ステッチ、フォルム、テクニック、 さまざまな要素を吟味し、組み立てられた「しろ」は実に多様な表現の可能性を見せる。 ーしろー無限の可能性ミニアチュールにこめられた 「しろ」 は作者の感性を映して、無限にその表情を変える。


[講評]
・色々な表情があっておもしろい。
・四角が多いかと思ったが、全部並べてみると全体のバランスがとても良かった。飛び出している感じも良い。
・MAAの勉強の世界観…自分なりにチャレンジしているところ…が良い。
・平面の作品も平面にこだわらずに、立体の展示にしても良いのではないか。
・DMが良かった。
【 1m×1m作品 】
テーマを設けずそれぞれが表現したいものを1×1×1m以内で制作。
立体表現、平面表現、複数で、単体で、
染め、織り、フェルト、マクラメ、キルト、ペイント
インスタレーション、壁面展示、床置き、
表現方法も、テクニックも、素材も、展示方法も、
作者らしい制作の意図と方向性が作品に反映され個性的な作品が集合
この多様性がMAAらしさ
櫻井紀子 Noriko Sakurai 『 布障子 』

[大きさ]縦60cm × 横100cm
[作品説明]薄いナイロンスカーフの上に細かく刻んだ布を置いて、溶けるシートにはさんでステッチ。木工ボンドで固めた。
[講評]
・形を固めたことで、インパクトがある。
・固めるのなら、もっと思い切ってゆがめた方がおもしろいのでは。
・テクニックを聞かれたら、キルトになるのか?オリジナルテクニックで良いのでは。
落合悦子 Etsuko Ochiai 『 夏のおわり 』

[大きさ]縦89cm × 横87.5cm
[作品説明]白影絞りを縦横にして竹垣に朝顔のイメージ。障子に雪にも見える。
[講評]
・色をつけないことの大変さがわかるので、テクニックを感じる。
・デザインがすっきりしている。
・シンプルでホッとする。
・すっと抜けている感じが、すがすがしい。
・空気感がある。
・染めの強弱が良い。
・次回に立体を期待しています。
赤間洋子 Yoko Akama 『 深まる秋 』

[大きさ]縦100cm × 横100cm
[作品説明]麻布を折り縫い絞りで藍染め。太さや色を変化させるために、縫う回数を変えたり、あて布の枚数を変えたり工夫した。
[講評]
・デザインがシンプル。
・白いところは星が光っているように見える。
・白の段階的な白さが良い。
・布端の始末も良い効果が出ている。
フリードル・久美子 Kumiko Frydl 『 曼荼羅 』

[大きさ]縦43cm × 横43cm
[講評]
・きれい
・展示方法が変わると作品の見栄えも変わるのでは。
・今回は壁が少し斜めになったところの展示になったので、裏にダンボールを当てる等、工夫がいるかもしれない。とりあえず、ダンボールを入れてみましょう。
石子和江 Kazue Ishiko 『 シルエット 』

[大きさ]縦80cm × 横100cm × 高さ12cm
[作品説明]3年前に刈り入れた芭蕉の繊維で作った作品。漆を塗ると縮むので、何層にも重ねている。エイサーを聞きながら作った。エイサーの楽しい踊りを表現。赤ちゃんがそれを見ている。
[講評]
・赤ちゃんのモチーフだけ他のモチーフに比べて違和感がある。
・作者はエイサーを楽しく見ている赤ちゃんを表現したかったとのこと。それならば、踊りの輪からはずして、傍観者の位置を設定したらどうか。
・展示を変えてみたらどうだろうか。
山家久子 Hisako Yambe『 いのちの循環Ⅱ 』

[大きさ]縦30cm × 横100cm × 高さ30cm
[作品説明]屋久島の白谷雲水峡を歩いた時、屋久杉から命が生まれてくるのを感じた。麻布を柿渋で染めて、ドミット芯を入れて縫い絞った。コンクリートの床が良かった。今回は展示を考えるゆとりがあった。
[講評]
・朽ちていく自然界の静けさを感じる。
・命の循環を感じる。
・空気感がある。
・テーマとイメージが合っている。
・ダイナミックな動きと静かな動きがある。
・縫い幅にもっと差が出ても良いのではないか。
・ボンド等で固めた方が質感が良くなるのではないか。
指田容史子 Yoshiko Sashida 『 箱庭プール 』

[大きさ]縦60cm × 横65cm × 高さ16cm
[作品説明]福島の原発が原風景になっている。布ではなく素材を使った勉強会の連作。箱庭プールが深層心理。船はそこから動かない…
[講評]
・一つ一つがおもしろい。
・土台も作品になっている。
・展示が良い。錆びた缶々が新鮮。
・実際には無い深層心理がおもしろい。大きいテーマが伝わる。
・箱庭プールに四角のミニアチュールがあるのが良い。
・置き方が全て土台の中央で均一になっている。置き方を不均一に違えた方がおもしろいのでは。
神保節子 Setsuko Jimbo 『 陽の出 』

[大きさ]縦100cm × 横100cm × 高さ10cm
[作品説明]陽の出がテーマ。こだわりは草木染。織で立体を作りたいと思っている。
[講評]
・壁から離しての展示を考えても良いのではないか。
・展示で動きが少なくなっている。もっと形を作ったり、もっと動かしても良いのでは。
・草木染の色糸見本を並べたりして作品にしても良いかもしれない。
道正千晶 Chiaki Dosho 『 Cocoon2 』

[大きさ]70cm × 横100cm × 高さ10cm
[作品説明]カタログの写真ではなく、展示の形がもともとの形。この形の方が流れが良いと思う。形状をどこまで保っていくのかが今の課題。インスタレーションをしたいので、いろいろな展示可能な作品を創っていきたい。
[講評]
・カタログの写真のように、二つの作品の間に裂け目がほしい。
・道正さんの作品は色っぽい。
小西春江 Harue Konishi 『 SYO#72 』

[大きさ]縦87cm × 横77cm
[作品説明]芝生の中にガラスの箱を置いた異空間のイメージ。切り込みをいれたり、切り取ったパーツを入れ替えたりして表現。白の大島と黒の江戸ちりめんを使用。
[講評]
・モダン。
・スッキリした世界。
・シンプルで良い。
・黒の濃淡が良い。
・この大きさで完成形。
・折りしわをなくした方が良い。
鈴木あきこ Akiko Suzuki 『 Water almost Circle:series Under my Skin 』
『 Black Water:series Under my Skin 』

[大きさ]縦62.7cm × 横45.5cm ×高さ1.3cm 2枚
[作品説明]人種や国は関係ない、人間としての存在を追求。ボールペンでドローイングした紙・不織布・オーガンジーをミシンでステッチ、紙をめくっていく。
[講評]
・この作品に額が必要かどうか。
・額も入れて作品なのかどうか。
村越登美子 Tomiko Murakoshi『 群青 』

[大きさ]縦85cm × 横85cm ×12cm
[作品説明]デニムと綿ニットが絡んだ凸凹感で存在感のある質感を表現。ゆれる不安定感が嫌でコンクリートの壁が良かった。
[講評]
・後ろに空間があると奥行き感が出るのではないか。ライティングの影も良いと思った。
・空間があると、空間も含めて作品全体が大きく見えた。
・こういうグループ展で、自分の考えにこだわらない展示をしてみるのも勉強かもしれない。
・マクラメの新鮮さが感じられる。
・作品の重さに耐えるしっかりとした展示方法が考えられている。
小林良子 Ryoko Kobayashi『 冬の陽 』

[大きさ]縦90cm× 横93cm
[作品説明]寒い空気のもやに入っていきたい心象風景を転写とアクリル絵具で図案化して表現。
[講評]
・キルティングラインが今後の課題。回数を重ねて適切なラインを見つける
・ブルーの淡い色味が綺麗
・意図的にではあるが、全体が一枚の布のように見える
・タイトルのイメージをよく伝えている
浦賀靜登 Shizuto Uraga 『 チャレンジ 』

[大きさ]縦95cm × 横95cm
[作品説明]今まで勉強できなかった事がしたかった。ミシンキルトではない色々な刺激を受けている。トルネードをイメージ。刺し子の糸や色を変えてみた。
[講評]
・ブカブカ感が良い。
・ダイナミックでバランスが良い。
・色の濃淡・線の太さが違うところが良い
・刺し子も良い。
齊藤礼子 Reiko Saito 『 9月のジベルニー 』

[大きさ]縦100cm × 横91cm
[作品説明]モネのイメージ。全て糸とフェルト。透明糸でミシンキルティング。
[講評]
・色が良い。
・上部のトラディショナルから、だんだん崩れて色になっていくところが良い。
廣野とし子 Toshiko Hirono 『吹雪く』

[大きさ]縦100cm × 横70cm
[作品説明]吹雪くイメージを、胴裏に墨で描いて裂織り。
[講評]
・撮影や展示の方法を事前に考えて、自分で準備してください。
・このデザインでは1m×1mは小さすぎる。デザインと作品サイズとのバランスを一考。
掘北直美 Naomi Horikita 『 One Way 』

[大きさ]縦94cm × 横75cm
[講評]
・バックの景色が多すぎる。
・説明が多すぎる。
・車と自転車のスピードが一緒に見える。
吉田幸代 Sachiyo Yoshida 『 IMAGINATION 』

[大きさ]縦80cm × 横100cm
[講評]
・ゆらいで動くのが良い。
・バックが生きている。
・ミシンではない手縫いの良さがある。
・全体的にきれい。
・ゆがみも良い。
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