WORKS-Miniature Vol.2 紙・PAPER 表情・・・可能性・・・2011 Dec.~2012 March
- maa2011jp
- 2019年4月3日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年10月15日
講評年・月:2012年3月 March 2012
2回目の課題は素材から・・・紙・・・
あまりにも身近にありすぎてどう取り組んだらよいのか・・・
リサーチしてみれば アレも紙・・・これも紙・・・
紙を使った作品のヴァリエーションに驚くばかり
自身にとっての紙は???
道正 千晶 Chiaki Dosho

作品説明:子供の頃、好きだった紙袋、飴をモチーフに過去の記憶の 残骸をコンセプチュアルアートとして、表現。黄色のトレーシングペーパーでバッグを作り、使用済みの食用油と使い残しのマニキュアを垂した。自身の思い出?のあるボタンやキャップなどをキャンディーのように包みの中に入れてある。

講評:
・4ヵ月間、紙のことを考え続け、ここにたどり着いた過程をもっと知りたい。
・黄色がきれい。
・トレーシングペーパーの素材がきれい。
山家 久子 Yambe Hisako


作品説明:カレンダーをシュレッダーにかけた紙を縦横に組み、形造るために、ハイパーヤーン(形状記憶糸)を所々に入れてある。厚くしたいところには、何層にも差し込婿とができる。
作品②(上)は紙ひもを経糸に切った紙を織り込んだ。

講評:
・作業量に感心した。
・形造るために 横方向の紙を何目も空けて差し込んでいるが、その留め方がおもしろかった。
・紙は幅を太くすれば、大きくできる。
神保 節子 Setsuko Jimbo

作品説明:新聞のきれいな色の広告紙面を使って、こよりを作り、束ねて持ったら、樹のような形になり、力強さを感じたので、そのまま作品にした。

講評:
・形がしっかりしている。
・横置きにして眺めた方が、拡がった部分が花のようで、きれい。
・こよりに針金を入れて曲げるともっと表情がでるかもしれない。
・全体的に もっと拡げてもよいのでは。
小林 良子 Ryoko Kobayashi

作品説明:紙の定義を短繊維を固めてあるものとし、不織布、接着芯和紙など異なる表情を持つ紙にリトグラフや転写で植物のイメージをうつし、素材の透け感を活かし重ねて貼る、透明糸のミシンステッチでまとめた。


講評:
・不織布をちぎってフワフワした部分をブラッシングして、もっとフワフワさせても面白いのでは。
・不織布の端を熱処理して、固めてみたらどうか。
・大きい方の作品(右)はステッチが浮いているよう。もっと遊びのあるステッチでもよかったのでは。
・小さい方の作品(上)は縦横のステッチラインが作品に馴染みマッチしている。
小西 春江 Harue Konishi


作品説明:FLテープ(不織布)をテープ状の布地に置き、接着面を上にして、細く切った接着綿を乗せ、包むように折って、アイロンをかけ、ステッチをかけ、テープにした。同様な手法で和紙のテープも作り、これらのテープを使ってメッシュキルトを仕上げた。まん中にふくらみをだしたかったため綿をはさむひと手間をかけた。

講評:
・最初のステッチが、組むことで、別のものに見える。
・紙の質感が良い。
・微妙なカーブが心地よい。
・色合いがシック。
赤間 洋子 Yoko Akama

作品説明:麻生平(アサキビラ)を染色した時の折り方を応用して、手漉き和紙を折り畳んだ。拡げ方によって、色々な表情がでるのが、おもしろかった。

講評:
・折るだけで、形ができるのが、おもしろい。
・折り方がきれい。きちんと折れていないときれいな表情にならない。
・建築的要素がある。
・中がみえるような置き方も素敵
・できる影も美しい。
・大きくも小さくもなるのが おもしろい。
廣野 とし子 Toshiko Hirono

作品説明:丸めた半紙を中心にして、自分の書(墨、半 紙)をこよりにしたものを糊でところどころ留め付けて作った。

講評:
・全てをこよりにして、毛糸玉のように緻密に巻いた方 が、ボリュームがあり重量感がでる。中が見えるのが惜しい。
・白と黒の色のバランスが良い。
・玉ネギのような形がかわいい。
・たくさん作ってころがすと、インスタレーションとしておもしろ い。
・小さいものをたくさん作ってモビールのようにしたらどうか。
吉田 幸代 Sachiyo Yoshida

作品説明:過去にこだわらないという意図を込め、古い切り抜きやD.M.をオーガンジーで包み和紙のこよりで封印した。中身が全く見えなくするのではなく、何か見えるという状態にしたかった。

講評: ・観念を表現する方向もあるが、説明無しで伝わるだろうか。 ・オーガンジーの代わりに透明感のある紙や、トレーシングペーパーを使ってみたらどうか。 ・ 丸い形へのこだわりが作品に見える。
石子 和江 Kazue Ishiko

作品説明:トイレットペーパーを用い、よりをかけたもの、かけないものを指編みで編むことで、立体を作った。素材感や受ける印象の違いを追求した。よりをかけて編んだ場合、迫力は同様にないが、緊張感はあった。3本どりでよりなしの場合、切れやすいが迫力が有る。1本どりでよりなしの場合、迫力はないが、柔らかで優しいイメージ。 今後、漆を塗るとどうなるか、検討してみたい。

講評:
・トイレットペーパーを使うアイディアがおもしろい。長い素材なので、編むというテクニックでの作品造りに適している。
・ティッシュペーパーを使ってもおもしろいかもしれない。
・強度を補うということからアンゴラなど他素材と合わせて作ってみたらどうか。
・パルプ100%のものと、再生紙では、違いがでるのか?
・漆は紙に浸みこむので、難しいのではないか。
・柿渋、ラッカー、ニスなどを使ってみたらどうか。
村越 登美子 Tomiko Murakoshi

作品説明:段ボールは切る角度によって、断面の表情が違い、おもしろい。 今回は流れる感じを表現したかった。今回は 側面の流れる感じはだせても、全体的な形が安定していて、おもしろみがないかもしれない。立てた形の立体にした方がより段ボールの断面を活かせたように思う。

講評:
・流れるような感じが良い。 ・ピラミッドのような形にしたらどうか。
・分割したピースの微妙なズレがおもしろい。
・側面のカットの流れがおもしろいのは、分割されているブロックを繋いだことの効果ではないか。
齊藤 礼子 Reiko Saito

作品説明:母の遺した書5~6枚を糊で貼り重ねて手で裂いて、布にステッチで縫い込めてみた。下の書が透けて見えることをねらったが、あまりよく見えない。

講評:
・字の見え方が均一で強弱がない。
・上に重ねた蚊帳地を開く部分を作ったりしたらどうか。
・書を1枚づつ破いてから重ねるとちぎりの部分が不揃いに見えおもしろいのではないか。
・紙に油を塗ると透明になるので、下の字が透けて見えるようになるかもしれない。
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