WORKS-Miniature Vol.5 「しろ・白・Shiro・WHITE」
- maa2011jp
- 2019年4月23日
- 読了時間: 6分
更新日:2021年10月15日
講評年・月:2013年4月 April 2013
「しろ」 色味としてとらえるだけでなく、素材、テクスチャー、ステッチ、フォルム、
テクニック、さまざまな要素を吟味し、組み立てられた「しろ」は
実に多様な表現の可能性を見せる。


しろー無限の可能性
ミニアチュールにこめられた「しろ」は作者の感性を映して、無限にその表情を変える。


道正 千晶 Chiaki Dosho

作品説明
10種類の違う生地に10種類の色を入れた、10本のパーツを使っての制作実験段階。

講評
・巻き方を変えてみたり、大きさに変化をもたせたりしても良い。
・布を巻いている状態が心の想いを表しているとすれが、パーツをさまざまの高さで宙に浮かばせてインスタレーション作品とするのはどうか、という案。
・今のパーツをラフに裁断して、1つ1つをくっつけ再度構成してはどうか、という案。
・ 「巻く」という行為の意味が作品に表現できると良いと思った。
神保 節子 Setsuko Jimbo

作品説明
横糸としてワイヤーが入っていて、形状を動かせる。曲げると形が変化する。

講評
・手で触って動かすと、作品が息をし始める。
・ビデオで作品の動いて変化する様子を表現しても面白い。
・その時々変わる形が面白い。動かすと色にも変化が起こる。
山家 久子 Hisako Yambe

作品説明
シュレッターにかけたカレンダーの紙を縦横に組み、ハイパーヤーン(形状記憶糸)を所々に入れている。空気をはらんだ形を意識した。

講評
・多少色が見えているところが良い。
・スリットが美しく入っている。360°から見てもらいたい作品。
・素材のシンプルさが良い。
小林 良子 Ryoko Kobayashi

作品説明
様々な白色を使い、日頃、斜線・直線を使って描くスケッチを基に、ステッチで表現した。

講評
・制作にかけた時間は、作品の質に関係ないことが分かる。
・こだわった点が、ダイレクトに表現できている。
・平面だけれど、色彩によって立体的に見える。
小西春江 Harue Konishi

作品説明
パッチワーク作品以外に、刺し子で立体に挑戦。素材はもんちりめん。ぐし縫いした後、ふくらみはスプレーで形状記憶させた。

講評
・もんちりめんの色合いがきれいで、丸の形の陰影が良い。
・1つのパーツを大きくし、全体のスケールを変えても面白い。様々な可能性の広がりが見える作品。
・ふちのブランケットステッチの形態が良い、切りっぱなしに近い形が良いという両方の意見。
赤間 洋子 Yoko Akama

作品説明
障子紙にはさみで七夕飾りのような切りこみを入れて、いくつかの立体形の上に乗せ、紙の伸び縮みや凹凸など変化する形を表現。

講評
・立体形の土台はすべて外し、壁にかけて展示し、障子紙にかすかに記憶された形状の形・影だけでもとても美しい。
・ 土台の紙の種類、障子紙の切り込みの入れ方等、シンプルな方向性でいろいろ展開が出来そう。
広野 とし子 Toshiko Hirono

作品説明
白」のイメージを空で表現。空・海・西日を裂き織りで表現。

講評
・色のリズム、配置だけでもかわいい。
・「白」作品でまとめるには、白の色の種類を増やしたり、表面に凹凸をもっと出しても良いかもしれない。
浦賀 静登 Shizuto Uraga

作品説明
刺し子専用ミシンで完全な「円」を縫っていくにはどうしたらよいかを追究。

講評
・デザイン的に「円」一つで作品にするのは難しい。ただ、全く同じ円を最低でも3つ並べれは作品にはなる。
・練習に終わらずに、「円」を表現して欲しい。作品の中に「円」の余韻が欲しい。
・生地、糸、縫いに変化をもたせると良いのでは。
指田 容史子 Yoshiko Sashida

作品説明
タイトル「箱庭プール」。子供の頃に遊んだプールの光景を、夢の中のような、色の飛んだような「白」で表したかった。

講評
・ 浮き輪とマットがあることでイメージが限定されるので、ないほうが良いという意見と、いつもの作品のイメージに通じるので小物はあっても良いという両方の意見。
石子 和江 Kazue Ishiko

作品説明
「白」から「水」をイメージした。前回の課題の「素材バイキング」で出あった糸を使い、限りある糸の長さの中で「成り行き」と「出あい」の意味を込めた。

講評
・作品のとんがりの向きがいろいろで長さも均一でないのが面白い。動きがある。
・異素材でも自然となじんでいる。
・チュールを編んで作っているボンボンの部分が面白い。
吉田 幸代 Sachiyo Yoshida

作品説明
雪かきしていない雪の風景を表現。麻・木綿・真綿の上にオーガンジー。

講評
・雪の影の陰影が表現できている。
・色が単調にも見えるので、ところどころ白くスプレーで着色するのも効果的かもしれない。
・もう少し凹凸があっても良いかもしれない。
斎藤 礼子 Reiko Saito

作品説明
テーマ「安らぐ場所」。帯芯を土台にして、蚊帳とオーガンジーを縮むシートで形作り、土台にとめた。

講評
・外側のふちをどうしようかと悩んでいるように見受けられる。蚊帳を土台として作る、又は、今より小さいサイズの帯芯を土台としてはどうか。
・真綿等優しい雰囲気の素材も使われ、作品テーマに合った表現で良い
村越 登美子 Tomiko Murakoshi

作品説明
白いベージュのノート、「日記」をイメージ。私が森にいる時の気持ち。表紙はトレッシングペーパーに森の画像を転写して貼り、本体はマクラメと織りの作品。

講評
・毎回、作る作品のテイストが違うが、今回も独自の世界感が表現されている。
・とても大きな作品にしても面白い。
・表紙と本体の質感のずれを感じる。
落合 悦子 Etsuko Ochiai

作品説明
ポリエステル布の絞りの立体作品。色がない深海の生物をイメージ。形状記憶の機械に入れ、出してから糸を抜いた。

講評
・人工的に作っている部分があるが、作品自体は天然素材のように見える。
・光沢があってきれい。
・形と大きさのバランスが良い。
フリードル・久美子 Kumiko Frydl

作品説明
タイトルは、表「出発」・裏「夜間飛行」。糸で色を表現。トラップントの技法。
バインディングしない方が、作品の絵の広がりを見せられたのでは・・、と次への課題が残った。

講評
・表裏両方の緻密な美しい技法に驚き。
・枠はない方が広がりがあるという意見と、トラディショナルを追うのであれば今の形でも良いという両方の意見。
・枠を強調しないように全体的にもこっと、ふっくらとさせた作品にしても面白そう。
鈴木 あきこ Akiko Suzuki

作品説明
「白」は「死」・「狂気」のイメージ、という考えから始まって、ゲームのように思いつくものを連想していくと「細胞」・「薬」にまで及んだ。箱は秘密をはらんだ「薬箱」のイメージ。材料は、薬・真綿・和紙のこより・シルクオーガンジー。

講評
・つながった糸から、繭玉をイメージした。
・箱は、開けると驚きがあるようなしっかりした形、素材の箱だと良いと思った。
・とても素敵なので平面の作品だけでも良いのでは。
櫻井 紀子 Noriko Sakurai

作品説明
タイトル「白の結晶」。白が集まり白が重なる事で色を生み出す様をイメージして作った。

講評
・温かみがある。
・四角い枠の中にきちんと納まりが良くなっている。
・糸のでこぼこがもっとあっても良いかもしれない。
تعليقات